地方財政あれこれ

地方財政に関心のある会計士のブログです。地方財政ネタに限らず、日々学んだことをお伝えしていきます。

昨年の振り返りと新年の抱負

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新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

昨年は本当にいろんなことがありました。

私事になりますが昨年の振り返りと新年の抱負について述べてみたいと思います。

昨年の振り返り

 昨年の一番の出来事は、23年勤めた監査法人を退職したことです。

監査法人では、民間企業の監査の他、パブリックセクター部に所属し、包括外部監査や、 地方公共団体第三セクターの会計監査、国立大学法人の監査、地方公会計などの導入支援業務などをし、さまざまな経験を積むことができました。

9月には個人事務所を設立し、一般的な会計士が行う中小企業支援や社外役員なども視野に入れ準備を進めていましたが、思いのほか、一番の得意業務である地方公会計に関するお問い合わせを沢山いただき、独立後ほぼその業務に忙殺され、忙しいながらも充実した毎日を過ごすことができました。

こちらのブログでも、当初は毎日ぐらい地方公会計や地方財政に関する投稿をする意気込みでしたが 、月2回ペースしか更新できていません。

今年は少なくとも週に2回以上投稿することを目標としたいと思います。

昨年は監査法人在職中にも増して全国各地に行く機会をいただき、旅行好き、イベント好きな私にとって、本当に楽しい毎日でした。

8月には、JAGAのバランスシート探検隊で沖永良部島へ。

沖永良部島は、沖縄本島奄美大島の中間に位置する楽園のような島です)

泊町の施設を見学した他、初めて固定資産台帳のデータを用いたSIMを経験しました。

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9月には、総務省の地方公会計の委員会や日本公認会計士協会の地方公会計の会議で東京に行きました。

ちょうど会議の日に、和光市の山本さんの出版記念セミナーがありました。

残念ながらセミナーには参加できませんでしたが、 その後の懇親会で山本さんやその他地方公会計に関心のあるたくさんの皆様にお会いすることができました。

また、その公認会計士協会の地方公会計の研究について学会報告をするため札幌へ。

日本地方自治研究学会

その他、地方公会計の分析をテーマに、福岡で開催された別の学会でも発表をしました。

全国大会 | 国際公会計学会

10月には、松山で開催されたJAGAのバランスシート探検隊に参加しました。

愛媛県立とべ動物園を見学し、普段では知ることができない動物園の実情や悩みについて知ることができました。

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そしてサイボウズのオフィス愛媛大学の白方君の発表を聞いて度肝を抜かれたり(詳細は下記をご覧ください)、SIM2030をして、チームが一番人気を取ったり。

http://daikinikki.work/minamoto-sirakata-1

https://camp-fire.jp/projects/view/66227

 

ちなみに、SIM2030でチームが一番人気を取った勝因は、ゲームにやみくもにとりくむのでなく、チームの価値観合わせを最初におこなったことです。

私はSIMの経験者だったので、すぐに目先の事業の検討に取り組もうとしたみんなを制し、最終年度の模造紙を広げました。

最終的にこの年度において私たちはどうなっていたいのか、 そのために何を優先するのかをまずは決めておかないと、途中で必ず場当たり的な判断になってしまい、結局無駄な事業をやってしまうことになる

まず最終的にどうなっていたいのかを先に決めて、それから取り組むことにしようと持ちかけました。

私たちのチームは最終年度において、将来の若い世代が生き生きと能力が発揮できるまちにしたいということ、子供への施策を最優先にしようということで合意しました。

チームは私より少し年配のある男性会社員、私(中年女性)、若手の男性会社員、大学生男女数名から構成されていました。

価値観が統一したチームというのは強い強い、少し年配の男性会社員が、この施設は必要だから建設しようと言うと、若い女性が大反論。

確かにその建設はとても重要だと思います。でもそのためには借金をする必要があります。将来の世代に負担を残してしまうことになります。

施設を建設しなくても他に手段があるはずです。

このようなことをするのはいかがでしょうか?

そして私はなぜか教育部長になってしまい、本来であれば子供のために自分の手持ちの事業を推進しないといけないところなのですが、お金を節約するためにこの教育に関する事業はもうやめようとチームにもちかけます。

すると、チーム全員から、これは絶対やめてはダメです。

将来の子供のために必要な事業です。

それはお金がかかってもやるべきです、と大反対され、事業を継続することに。

チームの価値観が統一されているということが意思決定において非常に重要ということを体感して学ぶことができました。

そしてやはり私たちのチームのやり方は一本筋が通っていたのでしょう。

教育を重視したので、 借金も残ってしまったし、手持ちの現金も他のチームに比べ少なかったのですが、人気投票で一番となりました。

 

このSIMで学んだことをまとめると次の通りです。

・先に将来のあるべき姿について、具体的なイメージを描くことが必要。

・そのイメージをチームで共有する。

・何を優先すべきかの価値観を共有する。

・最終時にどれだけ借金の負うことができるか、手持ちの現金をどれくらい持っておくべきか、その時の人口構成、人口減少についても考えておくとよい。

(ゲームではお金について具体的にイメージまで持っていなかったが、人口については何割減少すると設定した)

・将来のあるべき姿から逆算し、その前のタームですべきことを選択する。場当たり的な選択は将来に禍根を残す。

最後、どのチームよりも借金が残ってしまった。そこでほかのチームの過程を見て回り、もっと良い選択肢がなかったのかの振り返りを行った。

結局他のチームは判断にぶれがあること、必要な事業を場当たり的に切っていっただけということがわかった。

・最後まで判断がぶれなかったことについて、これが最良の選択だったし、最終年度においてすごくいいまちになったとチームメンバーみんなが納得した。みな晴れ晴れとした顔をしていた。

 

この他には、地方公会計の研修講師で神奈川、千葉、熊本、高知に行き、仕事の合間に知り合いの方にお会いしたり、名所を訪ねたりと本当に楽しい経験をしました。

大学生向けの公会計セミナーも複数開催しました。

多くの学生が今後の人口減少や国や自治体の借金の多さにショックを受けており、今後行財政に関心を持っていきたいというコメントが多数寄せられました。

また、 地方公会計をもっと身近にの Facebook グループの希望者を募り、試行的ではありましたが、zoomを使ったオンラインイベントを開催することもできました

新年の抱負

 年明けには、関西大学で開催される大阪市の公会計制度をテーマとしたセミナーのコメンテーター(下記リンク参照)や、大東市の川口さん、大阪市大の遠藤先生と共催する勉強会の開催、SIM2030のお手伝い、岡山、四国、九州、大阪などでの研修講師の仕事が目白押しとなっています。

Kenji Shiba - 関西大学経済・政治研究所「財政の健全化と公会計改革研究班」が主催するシンポジウム、第3回デ... | Facebook

そのほか、積ん読となってしまっている地方公会計や地方財政の書籍を読み、ブログに投稿したり、 書籍をテーマとしたオンライン読書会など、オンラインイベントを開催したいと思っています。

またこれも構想だけでなかなか着手ができていないのですが、 地方公会計や地方財政をテーマとしたサイト作成し、情報発信やコミュニティサイトの構築を手掛けていきたいと考えています。

さらに、ちょうど今地方公会計の指標分析に関する論文を書いているところです。

地方公会計の財務諸表もどんどん公表されてきているので、財務諸表を使った分析を行い情報発信をしていきたいと思っています。

みなさま、今後もご支援のほどよろしくお願いいたします。