公会計と地方財政の勉強会のご紹介(大東市川口財政課長のマッセ大阪掲載記事より)
ここだけのこぼれ話
Facebookに「公会計をもっと身近に!」というグループがあり、そこで現役財政課長の肩書で活動していたある日のこと、総務省の公会計係長からJIAM講師の依頼を受けました。
逃げるのは嫌いですし、死ななきゃ大丈夫だろうということで引き受けたのですが、この時の決心から、世の中に主体的に関わりプラスの影響を与えようという意識が生まれた気がします。
ところで皆さんは、地方公会計改革をご存知ですか?
この公会計については、全国で微妙な感じになっているのです。
微妙といいますのは、「決算統計知っとんのか!」とか言う単式・現金主義でバリバリやってきた、特に財政課職員には受け入れられにくいものがあるようなのです。
微妙な感じになっている原因はもう一つあります。
それは業界間の認識の乖離です。我々地方公務員、それに監査法人、会計事務所、学会、議員で認識があまりにも違うという問題があるのです。
企業会計のプロからは、簡単明瞭な複式簿記を使えば便利で楽になるでしょうと言われるのですが、簿記3級の私でも難しいと感じます。これは慣れの問題でしょうね。
また監査法人と会計事務所の違いもあります。監査法人は財務書類の作成を丸投げで受託することは基本なく、作成指導に徹するのですが、会計事務所は財務書類の作成を丸投げで受託する傾向にあります。
これは役割の違いに基づくものなのですが、公会計のあるべき方向性について決定的とも言える見解の相違が生じます。商学を基礎とする学会の方は、地方自治法に基づく実務を軽視するきらいがあると感じます。議員の過度な期待感も常々感じるところです。当然ながら、私たち地方公務員の勉強不足、理解不足もあるのです。
そこで、更に厳しさを増す地方財政に対応するため、地方公務員の財務能力のレベルを底上げするとともに、業界間の相互理解を深める目的で、大阪市立大学の遠藤尚秀教授、公認会計士の中川美雪先生と組んで、公会計と地方財政の勉強会を開催しました。10月20日に大阪市立大学梅田サテライト教室において第1回目を開催しましたが、公務員6名、市議会議員3名、公認会計士3名、大学教授1名、会計システム事業者1名、公会計コンサル1名の計15名で活発な議論を展開し、多様な立場の考え方を相互に学びあう事が出来ました。
私はこの勉強会により、参加者一人一人が道を塞ぐ障害を見つけ解消し、将来の地方財政を明るく照らす燈火の一つとなることを信じています。勉強会に関心のある方は、私あてご連絡ください。
電子メール:k_kawaguchi@city.daito.lg.jp
「公会計と地方財政の勉強会」の様子。ファシリテーターに徹し、対話形式で進行しました。
Facebookグループ「公会計をもっと身近に!」管理人の田中さんと愛媛県松山市で一献。田中さんが主催する「まちづくり体験塾」はいつも宴会が超盛り上がります(笑)